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2018.06.09 Saturday

54『彼女達の昼』

 

 

 

 

【前枠劇場 〜KCO 出会い編〜】

「そう言えば、パートナーがこの家にやってきた理由をあまり知らないんですよ」

「あ、その話ここで片付けるんだ」

「だって殆どがドリームで当たっただけで理由なんて後付けで……」

「やめろやめろやめろ」

「ちゃんとした理由があるなら是非是非聞きたい所ですねー♪」

「うーん、例えばファングちゃんはさー」

「そう言えばあの人、妙にパートナー意識が高いですよね」

「うん、実は……」

「あ、もう尺が無いので今度にしてください」

「何でこの話広げようとしたんだよ」

 

 

 

カデ子さーん♪

 

 

 

……あら、居ないですね。

 

 

 

カデ子なら買い物に行ったよ。

 

 

 

そうでしたか……って、何でモックーさんは倒れてるんですか?

 

 

 

お腹が空いて一歩も動けないんだよ……ほら見てよ、ネジだって止まってる。

 

 

 

それ満腹指数を示す物だったんですか……。

 

 

 

アイリスはまたカデ子にちょっかい出そうとしてたの?

 

 

 

いえいえ……私も、お腹が空いてしまいまして。

 

 

 

ちょっと没頭していたせいで、しばらく何も食べてなかった事を思い出したんですよ。

 

 

 

一度空腹を意識してしまうと、本も碌に読めなくなってしまって。

 

 

 

はぁ…………。

 

 

 

げ、プルルだ。

 

 

 

げって何だよ傷つくな。

 

 

 

言っとくけどゲームならしないよ。アタシお腹ペコペコでそれどころじゃないんだ。

 

 

 

モックーも? ……もしかしてアイリスも?

 

 

 

お恥ずかしながら……。という事はプルルさんも?

 

 

 

そうなんだよね……何かあるかなって探してたんだけど、おやつも全部切らしてて。

 

 

 

……一応、冷蔵庫にニシンとジャガイモとジャムならあるけど。

 

 

 

最悪な取り合わせですね。

 

 

他の皆は用事とか仕事とかで外出中……。

 

 

 

カデ子はファーイーストまで行っちゃったからしばらく帰ってこない……。

 

 

 

……一応訊きますけど、誰か料理出来たりとか。

 

 

 

…………。

 

 

 

…………。

 

 

 

あっはい。

 

 

誰か何か買ってきてよ、お菓子でも何でもいいから……。

 

 

 

いやぁ私この間新しい金盥を買ってしまって……。

 

 

 

私も……。この間、新しい早押しボタン買っちゃって……。

 

 

 

用途が透けて見える。

 

 

そんなぁー! このままじゃアタシ餓死しちゃうよー!

 

 

 

お腹空きすぎて溶けちゃいそう……。

 

 

 

……ところで私はともかく、どうしてお二人はそんなにお腹空いてるんですか?

 

 

 

グルメ番組見ちゃって……。

 

 

 

さっき肉料理の雑誌見ちゃって……。

 

 

 

影響されすぎでしょう。

 

 

…………。

 

 

 

(…………あれ? そう言えば……何か忘れて……)

 

 

 

(あっ! そうだ、思い出した! アタシ、カップ麺隠してたんだ!)

 

 

 

(カデ子に見つかると怒られるから、隠れて食べようと思って忘れてたやつ!)

 

 

 

(……でもマズい。隠した場所は部屋だけど、カップ麺を食べるにはお湯を沸かさないといけない)

 

 

 

(お湯を沸かすには台所……つまり、ここ)

 

 

 

(この状態の二人にカップ麺の事がバレたら奪われるのは必然……アタシの餓死もまた必然)

 

 

 

(どうにか二人に勘付かれないようにお湯を沸かし、カップ麺を食べなければ……!)

 

 

 

…………。

 

 

 

…………。

 

 

 

ねぇ、お茶でも飲まない?

 

 

 

!!

 

 

 

お腹は膨れないけど、気は紛れるかも……。お茶くらいあるよね?

 

 

 

おーいいねいいねーそうしよう!

 

 

 

(僥倖!!)

 

 

(勝手にお湯を沸かしてくれるなんて! 後はどうにかお湯をアタシの部屋に持ってけばアタシの勝ちだ!)

 

 

 

いやーそれがお茶も切らしてるんですよ。

 

 

ばんなそかな!!

 

 

(ウソだろ!? 持ち上がったと思ったらあっという間に落とされたぞ!?)

 

 

 

(ぐっ……だが、ここで退く訳には!)

 

 

 

ま、まぁお湯でもさ。ちょっとは気が紛れるんじゃない? ほら、今日ちょっと涼しいし、心も懐も寒いし。

 

 

 

(……無理やりか?)

 

 

 

うーん、確かに水よりもお湯の方がお腹膨れる気がするかも?

 

 

 

……………………ふむ。ではそうしてみましょうか。

 

 

 

(よし、上手くいった! 後はアタシの部屋にお湯を持っていくだけだ!)

 

 

 

いやぁ、そういう訳でお湯を飲んでいるのですけども。

 

 

 

まぁ分かってたけど貧乏感すごいね。

 

 

無味無臭ですしね……。塩でも入れてみます?

 

 

 

逆に喉乾くでしょ。

 

 

 

(しかしどうやって誤魔化して部屋にお湯持っていこうか)

 

 

 

(逆に二人に出て行って貰って、ここでお湯入れるか?)

 

 

 

(そうだ、そうしよう。そっちの方が簡単だ)

 

 

 

そう言えばさー、アイリスは集中しててお腹空いたの忘れてたんでしょ?

 

 

 

もう一度作業やってみたら?

 

 

 

…………。

 

 

 

そーですねー。それも一つの手段ですか……。

 

 

 

あ、だったら私もアイリスの作業見てたいかなー。空腹から意識を逸らしたいし?

 

 

 

そんな面白い物じゃないですよ?

 

 

 

いいのいいのー。アイリスの発想から私も学べる所、あると思うしね。

 

 

 

(トントン拍子!)

 

 

 

(二人揃って消えてくれるとは!)

 

 

 

……モックーも来ない?

 

 

 

いやー、アタシはいいよー。動く気力も無いし?

 

 

 

そっかー。じゃあアイリス、行こう?

 

 

 

はい♪ 場所は、外の地下室でですねー……。

 

 

 

(……行った! 今だ!!)

 

 

 

(アタシの部屋! ベッドの下、漫画誌を掻き分けたその奥! 味噌ラーメン!!)

 

 

 

(そして台所へ!)

 

 

 

(あいつらは地下室って言った! そこならアタシも知ってる、地上の音は聞こえない!)

 

 

 

(これだけドタドタ走っても、あいつらが気付く事なんて無い!)

 

 

 

(勝った! アタシは生きるんだ!!)

 

 

 

あらモックーさん、美味しそうなラーメンですねー♪

 

 

……………………。

 

 

 

…………何で、居るの?

 

 

 

いやー何でって、ラーメン分けて貰おうかと思って?

 

 

(……バレてた……!?)

 

 

(何で!? いつ!? まさか、こいつがアタシの思惑に乗っかってきてたのって……!!)

 

 

 

何で分かったかって? だって途中からモックーの様子がおかしかったもん。

 

 

 

きっと食べ物がある事を思い出したんでしょ。でもあなたの事だから独り占めしようとした。

 

 

 

そしてその食べ物はお菓子みたいに簡単に食べられる物じゃない。

 

 

 

だってあなた、思い出してから行動に移すまでが遅かったもの。

 

 

 

モックーでも作れて、手軽に用意できる物って言えばカップ麺かなって思って。

 

 

 

だからお茶なんて言いだしたのか……!! アタシに作らせるために!!

 

 

 

露骨に私を追い出そうとしてましたし、妙にお湯に執着してましたし。

 

 

 

だったらいっそ作らせてしまって、その時に分けてもらおうかと、プルルさんと相談したんですよ。

 

 

 

アイコンタクトで。

 

 

アンタらいつの間にそんな信頼関係築いてたんだよ。

 

 

そもそもモックーさん、ちょっと純粋すぎますよ。私、あなたの提案にわざと乗っかりましたけど……。

 

 

 

お腹空いて本も読めない、って前に言ったじゃないですかー。

 

 

 

…………負けたよ。分けるよ、カップ麺。

 

 

 

わーい♪

 

 

 

わーい私コーン少なめでー♪

 

 

 

美味しいですね、美味しいですね♪

 

 

 

命が救われる味がするね♪

 

 

 

いやー皆で食べるカップ麺も良いものだね♪

 

 

 

…………帰ってきてみれば、何をしているんですのあなた達……。

 

 

 

ご馳走タイム。

 

 

 

アルカードちゃんも食べます?

 

 

 

いや……言っちゃなんですけど、あなた達貧乏感すごいですわよ。

コメント
ヤベー奴らがタッグ組んじまった…もう誰にもとめられない
こうなっては暴れん坊の代名詞みたいなモックーちゃんも
ピエロにならざるを得ない……割と毎回ピエロだった
  • 2018.06.12 Tuesday 20:01
恐らくこの家で一番ヤバい奴らの夢のタッグなのに、やってる事はカップ麺の奪い合いって所が最高に酷い……
  • まげみや
  • 2018.06.13 Wednesday 01:28
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